fenolのブログ

情緒不安定 発達障害 病院に行かない選択

防衛本能

 

 

‪毎日睡眠2時間くらいの生活。

孤独で病みのピークだった時期に

駅周辺で買い物してたら

男性に道案内を頼まれたことがある。

道を教えて、その人はありがとうと

笑顔で手を振ってくれた。

 

でもそのあと1時間後くらいに

何故かその人と他の店で再会して

"偶然ですね

実はまだ時間があるので

良かったらお礼させて"と言われて

気がついたらネカフェに通されていた。

 

当時はネカフェに入ったことがなくて

PCがあるカフェなのかなくらいの

認識だったから

まさか、あんな閉鎖空間だとは知らず…。

 

*****

 

とりあえず荷物置こうって

ことになってペア席の

二人がけソファに荷物を置いた。

 

不安もあったけど

何より精神が疲れていたから

危機管理能力も薄くて

何処かぼーっとしてたんだと思う。

 

軽い離人症みたいな気持ちで

世界と自分の間に白くて薄い膜が

あるような感覚だった。

 

自分が奥に荷物を置いて振り返ると

急に頭を撫でられた。

と、思ったら腰を抱き寄せられて、

バランスが崩れて仰向けになった。

上から知らない人の顔が近付いて…。

 

その一瞬だけ

目の前がやけに黒く…というか

世界のコントラストが急に

ぐっと上がって黒くはっきり見えて。

 

気が付いたら思いっきり

相手の顔を叩いていた。

 

人間の顔を叩いたのは

生まれて初めてだった。

 

掌が確かにびりびりと痛かった。

叩いた方も痛いとは確かに…。

なんて思いながらも

脳はギュルルと音を立てるほど

急速に回っていて。

 

帰ります、帰らせてください。

でないと大声出します。

とか何とか言って鞄を引っ掴み

相手を押しのけて

受付も振り切って外に出た。

相手が支払いにまごついている隙に

兎に角走って家に帰った。

 

"偶然"なわけはなくて。

1時間ほどつけられていたんだってこと。

兎に角走らなきゃ、

家までバレたらどうしよう。

 

走ったことと

恐怖と、情けなさで泣けてきて

喉がぎゅっと詰まって痛かった。

軽い過呼吸になりながら少し泣いて

そのまま落ちるように寝た。

 

*****

 

また地獄ような毎日が始まって

このことを気にする余裕も

なくなったのは不幸中の幸い。

 

私は咄嗟に手が出て良かったけど、

この経験はとても大きかった。

自分の身は自分が守らないといけない。

善意が利用されることだってある。

 

男性と個室、半個室は避ける。

もしそういう空間になった場合

それがいくら知り合いでも

相手と自然に距離を作る。

間に荷物を置く。

必ず出口側に自分が座ること。

 

そんなルールを設けて生きるようになった。

もうあんな思いはしたくない。

 

こういう異性からの

性的な被害に遭っている人が

フォロワーさんにも多いと思う。

 

特にオフ会や、ネット恋愛

これから進展させる人には

本当に注意して欲しい。

 

他人の善意に漬け込んでくる

悪魔みたいな人間がいることを

もし、これを読んだなら

忘れないで欲しい。

知り合いだって信用ならないって

頭に入れておいて欲しい。

 

自分しか自分を

守ってあげられないんだから。

 

あと、私はやっぱりこの時に

咄嗟に出た自分の右手のことは

少しだけ誇りに思っている。

知らない人と知らない場所に

ついていったのが馬鹿だ、とか

つけられていたことに

気付くのも遅い、とか

大人から言わせてみればいくらでも

もちろん言いたいことはあるだろう。

 

でも、あの時私を本当に守ってくれた

自分の右手のことを

私は少し褒めたいと思ったのでした。

 

 

 

Fenol.

声を発する

 

歌うことは好きではなかった。

それ以前に、

かつての私は人前で声が出せない人間だった。

 

唯一の幼馴染とはふざけた遊びをして

毎日げらげら笑っていたけれど

それ以外の人の前で声を出そうとすると

無意識に顔が熱くなって

そんな自分に困惑してしまって

声を出すまでに至らなかった。

 

そんな風だったから、

国語の朗読が大嫌いだった。

前の人と自分の声量が

どれくらいで同じなのか、とか

くだらないことがその時の私には

物凄く重大な問題だった。

 

声を出したことが少ないため

自分の声量のコントロールすら出来なかった。

 

机をくっつけて班内で

発表をして、意見をまとめる授業が

参観日に行われた時の話を

母は今でも私にする。

向かいの席の子に言われた、

「聞こえませーん」に親子共々

赤面したようだ。

(私は嫌な記憶を葬るのが

大得意なのでもう覚えていない)

 

そんな私が話すことが

怖くなくなった出来事がある。

 

*****

 

何の授業だったかもう覚えていないが

学校で指定された本について

調べてまとめるというもので、

授業のあとに呼び出された。

 

「学年で8名選抜した。

君たちには後日みんなの前で

この内容をパワーポインターを使って

学年全体の前で発表してもらう。」

 

心臓が縮こまるのを感じた。

いまこれを書いていても思い出して

心拍数があがるほどの衝撃だった。

 

でも心の奥底のほうで

喜びがじわじわと湧いていた。

 

選ばれて、認められることなんて

初めての経験だった。

 

*****

 

そしてこれが私の内面に

劇的な変化を及ぼすことになる。

 

発表当日、

リハーサルで手渡されたマイク。

緊張と自信のなさで

いつも以上の小声で

恐る恐る自分の書いた原稿を読む。

 

当たり前のことなのだけれど

"聞こえない、ということがない"

 

これは私にとって革命だった。

 

原稿を読み終えて、先生に

「わかりやすく、

感情にも語りかける良い文章だ」

とか、そんなことを言われた。

 

声を発するということが

うまくできなかった私は

本だけは人一倍読んでいたからか

簡単にわかりやすい文章を

構築することが難しくはなかった。

 

私が喋ろうとしていることは

そんなに検討違いではないんだ。

ちゃんと声にして伝えても

恥ずかしいことではないんだ。

 

そう思えた途端に

世界が開けた気がした。

本当に、閉鎖的だった世界が

一瞬で広がる感覚がした。

 

それから、放送委員会に入った。

マイクを使えば人一倍話せた。

 

そのうち喋ることに自信がついた。

マイクなんかなくたって

私の考えていることを伝えたい。

 

演劇クラブに入った。

全員が馬鹿みたいに大声をあげる練習で

人並みには声が出るようになった。

先生が熱心だったのもあり、

声量の管理もそこで勝手に身についた。

 

小声で言う台詞。

でもそれだと本当に聞こえない。

演技で身振りは大切だが

顔をそらして台詞を言うと

それだけで声がまるで届かない…。

 

話すときに、顔をどこに向けて

どれくらいの声量で話すか。

そんなこと普通に生きていたら

教わることなんてないだろうから

私は本当に運が良かったと思う。

 

*****

 

もしも私が同じような悩みを

抱えている人にアドバイス

求められても、

正直大したことは言えないと思う。

 

本当に奇跡みたいな出来事だったから。

 

でも、何も言わないんじゃ

これを書いている意味がないよね。

 

面接とかでも役に立つかもしれないし

偉そうなことを言うとするなら

"本を読む"といいよ。

 

説得力のある言い回しには

ある程度のテンプレートがある。

本を書いている人はその道のプロだ。

ジャンルは何でもいい。

ファンタジーでも恋愛小説でも

映画の文庫本でも、何でも。

 

そのうち、わかってくるだろう。

日本語の伝え方なんて

大体似たようなものなんだってことに。

 

 

 

 

Fenol.

 

 

 

 

 

 

電話が鳴る

 

急な電話がこわい。

 

小さい頃から電話は苦手だった。

顔も見えない相手に

普段使ったこともないような、

堅苦しい敬語での対応は

想像しただけでげんなりする。

 

*****

 

 

高校受験の終わりで

初めて携帯を持ちました。

 

そこで友人カップルの別れ話に

巻き込まれたことにより、

わたしの携帯は1日50件も

着信を知らせるようになりました。

 

「彼女との仲を取り持ってくれ」

「彼女と別れたのはお前のせい」

「責任を取れ」

「責任を取って俺と付き合え」

 

電話は顔が見えない。

話が飛躍していっても

相手がどんな精神状態で

話しているのか察することができない。

 

その時から、電話が鳴るのがこわい。

 

*****

 

電話が苦手な理由は、

実はそれだけではありません。

 

恐らく軽い発達障害のあるわたしは、

"相槌のタイミング"を気にします。

 

酷い方は、必要以上に

相槌を打つ傾向があり、

それに気付くことも出来ません。

 

自分の無意識の相槌が

"相手が話しやすい"回数や

タイミングではないことを

理解できる程度だからこそ、

それを、とても気にしてしまいます。

 

すると、何が起きるかというと

発達障害には

"一度に複数に注意を払えない"という

性質もあるため

『相槌に集中するあまり

内容をすっかり聞きそびれてしまう』

ということがよくあるのです。

 

わたしはそれを理解しているので

間違っても電話番のお仕事などは

担わないように生きています。

 

*****

 

それでも電話は鳴り続ける。

 

"大事な連絡なら必ず

二度目がかかってくるよ"と

同じように電話が苦手なネットの友人に

教わってから、少し耐性がついた。

 

だから、一度目の着信の大半は切る。

 

恋人であっても、

慣れるまでは容赦なく切ってしまう。

別れれば、また振り出しに戻る。

 

今夜は二度、同じ番号から

着信があった。

 

 

 

 

皆は、電話が鳴る時

どんな気持ちになるのかな…。

 

Fenol.

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

はじめまして

はじめまして。

Fenolと書いてふぇのーると読みます。

呼び方は何でも構いません。

常にTwitterで言葉を毎日垂れ流して

生きてきましたが

自分で見直せない、見直さない文章を

つらつらと書き並べることに

ふと怖くなってしまったので

blogをはじめることにしました。

文章を書くことは好きですが、

気負い過ぎると続かないので

あまり長くならないようにしたいな…。

今日は軽く自己紹介をしたいと思います。

現在20代、社会人は5年目。

両親と弟がいます。

(愛犬が最近旅立ちました)

人生半分くらい来たかな…なんて

思っていますが、

先輩方には馬鹿なこと言うな

お前が半分じゃ私たちは終盤か、と

睨まれてしまうので黙ります。

なぞるように

睡眠障害摂食障害、パニック…

市販薬OD、リストカット…と

中途半端にいろいろとやってきましたが

どれもこれも今はやっていません。

病院に行ってないので

正式な診断も貰っていません。

名乗るのも烏滸がましいのかもしれない。

それでも、

その時に何を感じていたか

何となく書いていきますので

良かったら目を留めて頂けると

意味があったな、なんて

思えるのかもしれません…。

今回はここまでにしておきます。

Fenol.